相続開始後の流れ

相続開始

7日以内    死亡届
  ↓
遺言書の有無の確認(自筆証書なら検認手続き)
「金融機関の取引」「公共料金などの口座引落」「社会保険」に関する手続き
生命保険金の請求
相続財産の調査と評価
  ↓
3か月以内   相続放棄や限定承認の手続き
    ↓
4か月以内   準確定申告(1月1日から死亡日までの所得税を申告)
    ↓
遺産分割協議
(遺産の分割に期限はありませんが、相続税のかかる場合優遇措置を適用できるケースがあります。)
    ↓
10か月以内  相続税の申告・納付
(「相続財産が5000万円+1000万円×法定相続人の数」を超える場合)

 

遺言の有無?

相続が開始した場合、まずは、遺言書があるかどうかの確認をして下さい。遺言書があれば、遺言書に従った相続をするのが原則だからです。公正証書による遺言書があるかどうかは最寄りの公証人役場で照会することが出来ます。自筆証書による遺言書の場合は、家庭裁判所の検認の手続きが必要となります。
遺言書のない場合
相続人全員で遺産分割協議をして誰が何を相続するかを決めます。話がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停を利用できます。

遺産分割協議

遺産の分割に期限はありません。しかし、相続税のかかるケースでは、優遇措置の適用を受けるためにも、相続開始後10か月以内に終えた方がよいでしょう。

遺産の配分は法定相続分の割合と異なってもよく、相続人全員が納得できるまで、十分に話し合いましょう。協議は全員が集合して話し合わなければならないものではなく、電話などで連絡取り合って進めても構いません。最終的に全員の合意に達すれば良いのです。

民法第906条には、遺産の分割の基準として「遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」とあります。

 

遺産分割協議の注意点

・必ず共同相続人全員で協議をする必要があります。

よって、遺産分割協議から一部の相続人がもれていた場合には、その協議は無効となります。

・配偶者と未成年の子供との間での遺産分割協議は利益が相反するので、特別代理人の選任を家庭裁判所に申立て、当該特別代理人と配偶者との間で遺産分割協議をする必要があります。

遺産分割協議の方法

遺産分割にはいくつか方法がありますが、主には、次の4つの方法を適宜に組み合わせ財産を分配します。

@現物分割

「土地は母に、建物は長男に、貯金は長女に」というように、個々の財産をそのまま分配する方法です。原則的な方法です。わかりやすいですが、公平な分割が難しいのが短所です。

A換価分割

相続財産を売却などして金銭に換価して、その代金を分配する方法です。現物のままでは分割しにくい財産を分割できます。相続税納税資金を捻出する場合にもよく使われます。売却の手間や費用が掛かることや譲渡益に対して税金が掛かることが難点です。

B代償分割

特定の者が自己の相続分を超える相続財産を取得する代わりに、他の相続人に対して金銭などの自己の財産を支払う方法です。事業用資産などを承継者が一括で取得出来ますが、その者に支払い能力があることが前提になります。

C共有とする分割

数人の相続人で持分を定めて共有する。不動産など換価処分が容易でない財産を公平に分割できるが、次に相続が発生した場合に権利関係がさらに複雑化するので処分などができなくなってしまうので、母と長男で共有する場合は問題となることは少ないでしょうが、兄弟姉妹で共有するのは避けた方が良いでしょう。

 

遺産分割協議が整わない場合

何度話し合っても整わない場合や話し合いに応じない相続人がいたりする場合には、家庭裁判所の遺産分割の調停を利用することができます。この調停は、相続人のうちの1人もしくは何人かが他の相続人全員を相手方として申し立てるものです。

調停手続では、当事者双方から事情を聴いたり、必要に応じて資料等を提出してもらったり、遺産について鑑定を行うなどして事情をよく把握したうえで、各当事者がそれぞれどのような分割方法を希望しているか意向を聴取し、解決案を提示したり、解決のために必要な助言をし、合意を目指し話合いが進められます。

なお、話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には自動的に審判手続が開始され、家事審判官(裁判官)が、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、審判をすることになります。